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◎第2話「ステアリングを切るスピードはどうやって判断する?」

前回のコーナーによってアプローチの仕方が異なる、という話に関連してステアリングを切るスピードはどのぐらいにすべきなのか、意外に盲点になっている場合があり、特にミニサーキットなどでは、素早く切りすぎてアンダーステアやオーバーステアになってしまい、結果的に不安定な挙動を自ら誘発させている場合があります。

まず、スポーツ走行において車を曲げるには、以下の方法があることを、もう一度確認しておきましょう。

@ ステアリングで、タイヤに舵を与える。
A ブレーキなどによって荷重移動し、フロントタイヤを舵を当てた方向に誘導する。
B アクセルでオーバーステアを誘発させ、リアタイヤを舵を当てた方向と反対に流す。(後輪駆動車又は2ウェイLSD装着車のみ)

この3点です。低速コーナーでは、スピードが比較的低いので、@の、ステアリングで向きを変えることの比率が高く、 高速コーナーでは逆にスピードが高いので、ステアリングよりもむしろ、Aの、ブレーキなどによって荷重移動し、 向きを変える比率が高いのです。
例えば、高速道路などで、100km/h以上で車線変更をするとき、少しだけステアリングを切るだけでいいですよね。でも、一般路の交差点で右左折するときは、いっぱい切らないといけない。それと同じです。 高速時にたくさんステアリングで曲げようとすれば、当然車は不安定になり、どこかへすっとんでいきます。

この一見あたりまえのことが、サーキットに来ると忘れてしまったり、頭ではわかっていても、つい手が動いてしまう、 という感じで、そのコーナーに見合ったスピードで切らなかったために、超アンダーや超オーバーをドライバー自らの手で誘発させてしまっているケースが非常に多いのです。
YZサーキットで言えば、1コーナー進入時の舵を切るスピードと、インフィールドのヘアピン進入時のスピードは違って当然です。 1コーナーでもスカッと切れば、タイヤの限界を簡単に超えて、過大なヨー運動を車両に与えることになり、一気にタイヤがブレイクする可能性が高くなります。
つまり、スピードが高くなればなるほど、ステアリングはジワっとゆっくり切る必要があり、スピードが低ければ低いほど、素早く向きを変えるために速く切るのです。

じゃあ、どうやってそれを感じればいいの? また、そのスピードにあったステアリングを切るスピードをどうやって調節していくの? わからない!ということになりますが、これは自分で経験を積んで、またうまい人の隣りに乗って、 覚えていくしかないでしょう。前話で述べた舵角量をなるべく少なくする、という基本を踏まえつつ、やりましょう。
ただ一つ言えるのは、

@ 低速コーナーでは進入時にいかに向きを素早く変えられるか
A 高速コーナーではいかに車を安定させて脱出するか

これを忘れずに、ステアリングワークを考えて走行することです。市販の車載映像を見るのもいいでしょう。
鍛え、磨け、精進しましょう!(私も(笑))

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