◎第1話「低速コーナーと高速コーナーの操作の違いは?」
コーナーの進入の仕方は、確かに高速コーナーと低速コーナーでは違いますね。例えば鈴鹿サーキットで言えば、
130Rとヘアピンを同じ操作で入っていたのでは、コーナーリングは無理でしょう。必然的に、自然と乗り方が変わります。
しかし、峠レベルの一般公道や、ミニサーキットレベルでは、スピードがあまり高くありませんので、
この低速コーナーと高速コーナーの操作の違いを体験する機会が、一般の方には少ないですから、
この質問は、ある意味非常にドラテクを習得する上で的を得た質問と言えます。
ポイントは、「コーナーリングスピードが上がればあがるほど、より早い地点からアクセルで操作をする」ということです。
ここでは、YZサーキットを例に説明していきましょう。例えば、比較的高速でのコーナーとなる第1コーナー。
ここは、大半のパワーのある速いクルモフ場合、コーナー手前で少しアクセルを戻すか、チョンブレーキが必要となってきます。
CPよりはるか手前の、メインゲート付近です。ここでアクセル戻しまたはブレーキングで、一度荷重を前に持っていき、
クルマの向きを変えてやる訳です。
一方、インフィールドのヘアピンでは、低速コーナーであるこの区間は、ブレーキングはCP付近までしています。この違いは何でしょうか?
(コース図を挿入する)
ヘアピンなどの低速コーナーでは、クルマの向きを変えるためにブレーキングするのですが、車速が低いため、ブレーキングによる荷重移動が必然的にコーナーの奥で行われるわけです。つまり立ち上がりの加速を稼ぐため、車速を十分に落とし、ブレーキングで素早く向きを変え、クリッピングポイントでブレーキから瞬間的にアクセルに足を移し、なるべく早い段階で全開にできるように走行するのです。
つまり低速コーナーでは、「立ち上がり加速重視」で操作する、ということです。
では、高速コーナーではどうでしょうか?高速コーナーは、結論から言えば、
「コーナーリングスピードを上げる」という操作をしてやるのです。高速コーナーでは当然車速が高いため、ブレーキングはクルモェ安定している直線で行う比率が高く、
入り口で向きを変えたら、CP付近を通過するときには既にアクセルを踏んでクルマを前にすすめ、トラクションをかけることでクルマを安定させる操作、ということです。
初めてサーキットを走るときこの違いがわからずに走行すると、高速コーナーでハードなブレーキングをし、クラッシュの憂き目に遭う場合も多いです。いわゆる「加速タコ踊り状態」です。
このようにブレーキングポイントの違いは歴然ですね。YZのようなミニサーキットでもこのような感覚ですので、より大きなサーキットで走行する場合、この操作を冷静に行わないと、危険でしょう。
では次に、「どうやって低速コーナーと高速コーナーを見分け、操作を変えるのか?」ということですが、多くの方がそうであるように、
普段の街乗りで、少しスポーティーに走れるワインディングなどを走るとき、それを意識して運転してみて確認することです。
いってみれば、「踏んでいけるカーブ」、「アクセルオンするのが気持ちいいカーブ」が、高速コーナーの乗り方でいいでしょう。
「ブレーキをしっかり踏んで、比較的ステアリングをスカッと速く切る必要のあるカーブ」が低速コーナーの乗り方でいけるでしょう。
普段から、意識して操作しているかいないか、がポイントです。これだけで、上達も人より早くなると思います。
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